昨年夏に発売を開始し、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースにて市販FF車両最速のラップタイムを叩き出し、圧倒的なパフォーマンスで世界中の度肝を抜いた「ホンダ・シビック タイプR」。
かつて「若者のためのスポーツカー」というキャッチフレーズでデビューし、長年日本のロードスポーツ愛好家たちに親しまれてきたホンダを代表するFF車は、先代モデルのレコードを7秒以上も縮めてみせる驚異的なスペックを誇るスポーツカーとして生まれ変わりました。
生産拠点が変わったことにより、従来までの親しみやすい販売価格ではなくなってしまったものの、世界最速のホットハッチというステータスは非常に輝かしいものであり、低迷する国産スポーツ界における希望の星と呼べる存在です。
今回は、日本が誇る世界最速ホットハッチ「ホンダ・シビック タイプR」について、最新画像とともにレビューをお届けさせていただきます!
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シビック タイプRは戦闘的なルックスが大きな魅力!
今回、装い新たに登場した新型シビック タイプRは、何と言ってもその低く構えたローボディと戦闘的なフォルムが大きな特徴。
新開発の高剛性プラットフォームにアルミ製フロントフードを組み合わせ、先代モデル以上に剛性を強化した上でさらに低重心化。
ダイヤモンドを思わせる直角的なフォルムとなり、強力なダウンフォースを備えるようになりました。
20インチのアルミホイールと専用フロントグリル、カラードバンパーとカーボン調フロントスポイラーによって引き締められたフロントマスクは、空気の壁をぶち破らんばかりの迫力に仕上げられております。
これだけでも「走るクルマ」と言ったオーラがプンプン漂っていますが、特筆ものは目に鮮やかな赤で彩られたブレンボ製ディスクブレーキの存在です。
世界最高峰の高いストッピング性能を誇るブレンボ製アルミ対向4ポットキャリパーは、サーキット走行などのシビアさが求められるシーンでも正確無比に作動。
街乗りからスポーツまで幅広くこなせる新型シビック タイプRになくてはならない大きな武器だと言えます。
全長4,560mm×全幅1,875mm×全高1,435mm、ホイールベース2,700mmにまとめられたボディは、先代と比べ車体後方に重量配分がUP。
ホイールベースも100mm延長となりましたが、ヒップアップによって安定性を強化したのが大きな変更点となっております。
さらに3つの走行モードを選択することにより、気軽な街乗りから、限界ギリギリを競い合うサーキット走行までをカバーできるイージーさが備わっている点も大きなポイントとなっております。
ヒップアップしたことにより、リアウィング・リアスポイラーなども同時に強調され、誰が見ても一目で「シビックだな」とわかる個性もそのままで、この辺りにホンダ・開発陣のこだわりが感じられます。
車体下中央に配置されたエキゾースト、迫力のあるリアバンパーなど一つ一つのパーツが際立った個性を放つ新型シビック タイプRは、見た目重視のスポーツファンでも大満足の戦闘的なフォルムが魅力のマシンだと言えるでしょう。
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シビック タイプRは怒涛の加速力と脅威のハイスペックぶりが大きな魅力!
その刺激的なフォルム一つとっても魅力的な新型シビック タイプRですが、やはり最大の目玉はドイツ・ニュルブルクリンク北コースで7分43秒80という驚異的なラップタイムを叩き出したエンジン。
2.0リッターながら、最高出力320ps、最大トルク400Nmを叩き出すその心臓は、ホンダ伝統のVTECにターボを備えた新型となっております。
北米市場向けにエンジンのみで販売されているほどの自信作であり、強烈な加速力と低回転から一気に吹け上がる抜群のレスポンスが特徴。
この強力なエンジンに”コンフォート”、”スポーツ”、”+R”の3つから選べる走行モードがアシストし、スポーツ走行に不慣れなドライバーでもスムーズに扱える親しみやすさもアリ。
エンジン始動時の獣の咆哮を思わせる感高いエキゾースト、エンジンをオンにした瞬間から発せられる独特のリズムは、スポーツ走行に興味がない方でも心が引き寄せられるほどの迫力と魅力があります。
トランスミッションは6速MTのみとなり、扱いには少々の慣れを要しますが、1〜6速まで専用のセッティングが施されたクロスレシオ設定。
特に6速は先代よりもロー寄りのセッティングで、よりダイナミックな操縦性となっております。
シフトストロークが40mmになったことにより、シフトチェンジが「カコンッ」と決まる独特の感覚は、走らせる気がなくてもついついその気にさせられてしまうほど。
街乗りでは過激なほどのハイスペックマシンながら、新型シビック タイプRが誇る最大の魅力だと言えます。
シビック タイプRの内装は?
過激な走行性能が際立ったマシンながら、新型シビック タイプRの内装は実に機能的で快適。
黒と赤で彩られた新型シビック タイプR専用のシートを前席に配し、非常にレーシーな雰囲気に。
各部にサポートワイヤーを組み込んだこのシートは、ドライバーを縦横のGから守る抜群のホールド性を有しており、やや固めながら息苦しさを感じさせない作りとなっております。
コックピットの配置も実に機能的で、手を伸ばせばそこにスアリングとシフトノブが触れる位置に収められ、明らかに日本人の体格を意識した作りです。
コックピットからの視野は低めではありますが、前方の視認性は非常に広く、Aピラーもその妨げにならないよう配置され、運転性に関しての不安は皆無だと言えます。
また、新型シビック タイプR専用のブレーキ圧・ブースト圧と言ったメーター類もその特別感を引き立てており、スポーツカー好きならばたまらない使い勝手の良さだと言えるでしょう。
シビック タイプRの現在の価格は?
今モデルで世界最速FF車の座に輝いた新型シビック タイプRですが、価格に関しては賛否両論。
新車販売価格4,500,360円(税込)となり、かつての「若者のためのスポーツカー」といった親しみやすい価格設定とはかけ離れた高額モデルなってしまいました。
初代シビックが100万円台で購入できたことに比べ、この価格設定は決して安いものとは言えませんが、生産拠点がイギリスへと変わったことを考慮すると、これは致し方ないところ。
これだけの価格設定だと非常に悩ましいものがありますが、その所有感は非常に高く、スポーツカー好きならば買って悔いなしの一台だと言えるでしょう。
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